統一展望台は、北朝鮮から流れてくる臨津江(イムジンガン)と韓国の漢江が合流し、黄海(西海)へと流れゆく所に位置する。
臨津江の川幅は広いところで3.2km、狭いところで460m。本当にすぐそこが北朝鮮といった感じだ。
天井から吊るされたディスプレイに映されるビデオ解説を見ながら(日/中/英語)ピカピカに磨かれたパノラマのガラス張りの展望室で、臨津江の向こうに広がる北朝鮮の開豊(ケプン)郡の農村地帯を眺める。集合住宅用らしい建物、農業用の倉庫のようなもの、畑、背後に広がる山々・・・。
まだまだ未知の国である北朝鮮の村や人々が生々しく見える分断の現場である。



肉眼でもはっきりと見える家々は、この統一展望台が出来て間もなく建設されたもので、住宅事情が良い近代国家である事をアピールする為のプロパガンダであると、こと細かくビデオで紹介される。
北朝鮮にむけられたいくつもの有料双眼鏡で向こう側を見ることもできる。
南北首脳会談以前は北からの宣伝放送も南からのものもよく聞こえていたようだが、今はただ静かに、美しい風景が広がっているのみだ。
さらにこの展望台には、北朝鮮の現実を知ってもらうため、北朝鮮の小学校の教室と中間階級の部屋が有りのままに再現された展示場や北朝鮮が生産した数々の品物、コンピューターを利用した北朝鮮情報の休憩室も設置されている。
そして、地下一階には朝鮮開城(ケソン)市名産の高麗人参酒、北朝鮮の切手、工芸品などのお土産も買える売店があるので、板門店やDMZツアーとはちょっと違う雰囲気を味わうことができる。
同時にここ臨津閣(イムジンカク)は、一般の韓国人が無許可で行くことのできる「北朝鮮を最も近くで見ることのできる」数少ない場所の一つでもある。
韓国戦争が終わってから50年以上たったが、南北の行き来は許されていない。 北に家族がいるが訪問できないばかりか、連絡手段すら存在しない。
500万人とも800万人とも一千万人ともいわれる離散家族が、今となっては生存しているか否かも分からない親や兄弟、親戚達を思いながら、本来なら一緒に過ごすであろう祭事やお盆、正月などには、ここ 臨津閣(イムジンガク)に集まり偲んだりしに来る地でもある。「望拝壇」 の碑が悲しくそびえたつ。




